アトピーの原因
アトピーは体質×環境が重なって起こる疾患
多くの人を悩ませるアトピー性皮膚炎。では、そもそもなぜアトピーになるのでしょう?
アトピーの意味「奇妙な・よくわからない」という言葉が示すとおり、実はそのメカニズムはまだ充分には解明されていません。
一般的な原因として、乳幼児期は食べ物、それ以降は周囲の環境やストレス、ダニ、ハウスダストが原因となることが多いと言われています。
しかし、人によって原因や症状、経過は様々で、遺伝的要因や免疫異常、乾燥肌などの体質的な要因に加え、生活環境(衣・食・住)やストレスといった環境的な要因が重なった時に症状が現れる「多因子性」の病気だと考えられています。
以下にアトピー性皮膚炎を引き起こす要因についてあげてみました。
①アトピー素因
日本皮膚科学会による定義では、
1.家族歴、既往歴
(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれか、あるいは複数の疾患)
2.IgE抗体を産生しやすい
という2点をアトピー素因として定めています。
アトピーとは細菌やウイルスなどから体を守るための免疫が普通以上に働いてしまい、様々な要因に過敏に反応して気管や鼻、目、皮膚などに炎症が起こる疾患。
IgE抗体はこうした過剰反応を引き起こす物質のひとつです。
②直接的な原因物質(アレルゲン)
〈食べ物〉
・卵(特に白身)
・牛乳、乳製品(ヨーグルト、チーズなど)
・大豆(油、豆腐、味噌など)
・小麦(パン、うどんなど)
・米
・エビ、カニ
・魚(サバ、サケ、マグロなど)
・そば
etc.
〈環境〉
・ダニ
・ハウスダスト(ホコリ)
・花粉(スギ、雑草など)
・細菌・真菌(カビなど)
・ペット(犬や猫などの毛やフケ)
・化学物質
etc.
③悪化因子
こうした様々な原因に加え、日常生活の中での刺激(乾燥、髪の毛・毛糸の衣類、シャンプー・石鹸、化粧品類、汗、よだれ・食べこぼしなど)やストレス、寝不足や偏った食生活、不規則な生活などの生活習慣の乱れ、自律神経の異常などもアトピーを悪化させる要因として考えられています。
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